夏の出会いは素敵な恋の予感～超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む～

　とても豪華な調度品が置かれた応接室のソファに、星宮社長と深月総支配人が向かい合って座っていた。この部屋は今日1日、社長の控え室として使わせてもらっていた。


「絢斗さん、すみません。父さんが帰る前に頼みたいことがあって」


「何だ、琉唯」


星宮社長は帰り支度を整え、部屋を出る直前だったようだ。


「俺、さっきまで夏凛を探してて……」


え！ 私を探してた？
廊下で会ったのは偶然じゃないの？


「確か君は、今日のパーティーを手伝ってくれた広報部の文月 夏凛さんだったね。本当にありがとう。無事に終えることができたのは君達のおかげだよ」


「きょ、恐縮です。朝吹課長の的確な指示があったので、何とかやりきることができました。星宮社長……改めてお誕生日おめでとうございます」


社長と私のような平の社員がこんなに近くで話すことは滅多にない。しかも、名前を覚えてくれてるなんて驚いた。
それにしても、社長は琉唯先輩と目が良く似ている……


「文月君、君は琉唯の彼女なのかな？」