夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「ありがとう、文月君。こうと決めたらやり遂げるまで諦めない息子です。琉唯のこと、これからもどうぞよろしくお願いします」


星宮グループの社長に頭を下げられてはやっぱり断りきれない。私には、ただ笑顔を作ってその場に立っていることが精一杯だった。


「父さん、ありがとう。良かった。日にちが決まったら連絡するよ。じゃあ、俺も帰るから、父さんも気をつけて。近々、母さんの顔も見にいくよ」


「ああ、たまには帰ってきなさい。俳優業は大変だろうが、時々は母さんに元気な姿を見せて安心させてやってくれ」


「……ごめん、そうだよな。父さんと母さんには……感謝してる。俺のわがままを聞いてもらって。2人のおかげで好きなことを仕事にできてるって実感してる」


「琉唯君は本当に立派になりましたね。私で良かったらいつでも相談にのりますから」


「ありがとうございます。絢斗さんにも感謝してます。俳優を志した時にはずいぶんアドバイスをもらって……。人との関わり方や、立ち居振る舞いや言葉遣い、本当に色々なことを教わりましたから」
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