夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「あっ、はい。そうなんですね……」


「……」


「……」


 この空気、かなり心臓に悪い。
 琉唯先輩、何か言いたげな感じだけど……


「あのさ……」


「は、はい!」


 思わず背筋がピンと伸びる。


「夏凛に頼みがある」


「……頼み……ですか?」


「ああ。さっきも父さんが言ってたみたいに、うちは一人っ子だから、何かと心配されるんだ。俺が俳優になるなんて言ったから、父さんは慌てて別の社長候補を探したりして」


確かにみんな時々噂してる。
琉唯先輩は人気俳優さんで、いったい誰が星宮グループの後継者になるんだろうって。


「まあ、星宮グループは父さんの弟があとを継いでくれるだろうし、あの人はものすごく立派な人だから、俺が社長になるより何倍も良いと思うんだ。だけど……いつまでも結婚もしないでいることに、両親にかなり心配かけてて。特に母親には……」
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