夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
 今や世間的に大人気の琉唯先輩には彼女がいるんだろうか?
 先輩の女性関係のことなんて、今までは考えたくなかった。
でも、本当は……すごく知りたかった。


「あの、琉唯先輩、か、彼女さんは……いないんですか?」


とうとう聞いてしまった。
その瞬間、何とも複雑な気持ちが湧き上がった。


「……残念ながら、いない」


 そんな……これは嘘?
 いないわけ……ないよね、こんな素敵で全てが完璧な人に。


「高校を卒業してから、琉唯先輩には彼女さんがいたんですよね?」


「なぜ? 誰がそんなこと?」


「えっ……みんな色々噂してました。琉唯先輩には同じ大学の美人の彼女がいるとかどうとか……」


「そんなのはバカな噂だ。勝手に決めつけられると困る」


「……確かに、もし彼女さんがいたら……やっぱりマスコミに知られたりして大変ですよね」


「だから、いないって」
< 22 / 135 >

この作品をシェア

pagetop