夏の出会いは素敵な恋の予感～超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む～

「いや、意味がわかりません。彼女役といってもフリをするだけですよね？ ただの偽装の彼女が琉唯先輩のマンションに入るなんてとんでもないです。もし誰かに見つかったらどうするつもりですか？ 大変なことになりますよ」


「……まあ、何とかなるだろ」


「ならないですよ」


「……｣


「マスコミとかに見つかったら……良くないです」


「だったら……どうすれば来てくれる？」


　琉唯先輩は、本当に人たらしだ。
目を見て少し首を傾げるこの仕草。昔からこれに私がキュンキュンしてしまうことに、先輩は気づいているんだろうか？


ううん、こんな想い、きっと1ミリもわかってない。


「それは……だったらお手伝いさん……家政婦とかなら……」


それも、本当はダメだよね。
でも……


「じゃあ、これ俺のマンションのカギ。24時間、いつでも出入り自由な」


ようやく先輩は笑顔になった。


「……は、はい。とりあえずわかりました」


……って、本当はまだ全然理解が追いついてない。
彼女役から家政婦まで、いったい何がどうなってるのか、頭の中がぐるぐるしてる。