夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
 星宮社長の隣に立つ男性は、ここのホテルの総支配人――深月 絢斗(みつき あやと)さん。
 私も打ち合わせさせてもらったけど、素晴らしい対応力でこちらの要望を見事に叶えてくれた。
 それに、長身で、恐ろしいほど美しい顔をしている。


「とんでもございません。私はまだまだ修行中です。どうか引き続き御指導をよろしくお願い致します」


「ご謙遜を。ああ、そうだ。今度また琉唯にも会ってやってくれないかな。あいつはここに宿泊する度に、君の仕事ぶりや振る舞いに感動して憧れていたからね」


「琉唯君……。彼は、今をときめく大スターですから。私の方がいつも彼に元気をいただいています」


 星宮 琉唯(ほしみや るい)――
 星宮グループの1人息子であり、私の高校時代の演劇部の先輩。


 琉唯先輩の名前が出るなんて、予想外のことに心臓がドキドキし始めた。
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