夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「何? 何か変?」


悪びれた様子もない先輩に、「変ではないんです、私には眩し過ぎるんです!」と、思わず口走ってしまいそうになった。


「琉唯先輩、な、何か着てください」


「えっ……下はスエット履いてるけど」


「いや、それはそうですけど」


下を履いていれば良いという問題ではない。
もし先輩が全裸で現れたら、今頃、自分がどんなことになってるのか想像もつかない。


絶叫か、気絶か、もしくはガン見で体が動かなくなるか――


いやいや、まさかガン見なんかして鼻血が出たりしたら、そんなのみっともなくて絶対一瞬で嫌われる。二度とここには呼ばれなくなるだろう。


「夏凛、さっきから表情ヤバいから」


「えっ! あっ、あの、いや、その……」


「やっぱりお前はおもしろいな。そういうところ好きだ」


 す、す、好きだぁ!?


動揺してる上に、さらに私は先輩の言葉と笑顔に心臓を撃ち抜かれた。
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