夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
そうだ、この状況を冷静に乗り切る方法を考えよう。
琉唯先輩をお兄ちゃんだと思えばいいのかも知れない……いや、お兄ちゃんはダメだ。
 ただの知り合い……ううん、親戚の人。それとも見知らぬ誰か?


あ~もうダメだ。
私よ、この人を「かぼちゃ」だと思え!!


「あの、しばらく無視されてますけど、俺」


「うわっ、あ、あれ? 私、む、無視してましたか?」


「俺って、夏凛に認識されてないのかな」


 苦笑いでごまかすけど、かぼちゃだなんて思えるわけがなかった。


 認識されてないどころか、この人、本当に恐ろしいくらいイケメン過ぎる。
 高校時代より何倍も大人っぽくなってて、魅力があちこちから漏れ出すほどに溢れて……こんなのは絶対反則だ。


 でも、だからこそ琉唯先輩は俳優として成功してるんだろうし、世間のみんなが先輩を応援して恋焦がれてる。
私は、そんな大スターとほんの少しでも近くなれたことに、本当はもっと感謝しなければいけないのかも知れない。
< 36 / 135 >

この作品をシェア

pagetop