夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
 だったら今は、もっとリラックスして、2人の時間を楽しもうかな?
 彼女ではなく「彼女役」、ただの「家政婦」ではあるけれど、こんな巡り合わせも……悪くないのかな……


「えと、今日はですね。とうもろこしご飯と、とり肉の塩麹焼き、薬味たっぷりの冷奴、ナスと厚揚げのお味噌汁……こんな感じの和食にしてみました」


「すごい! 夏凛は天才なんだな、知らなかった。こんな才能があるなんて」


「あの、これはただの一般的な食事ですよ。星宮グループの御曹司のお口に合うか不安です」


「そういうの止めてくれる? 別に俺は普通だから。確かに父さんはすごい人だと思うけど、俺は本当に普通」


 琉唯先輩が「普通」なら、他の人はどうなるんだろう?
この人は自分の価値を理解できてないの?


 そんなことを思いながら、私はテーブルに料理を並べた。


 2人で一緒に食べる夕食。
 いつもはマンションの部屋で1人なのに、今日は目の前に男性が座ってる。
 それも、最上級のイケメンが――
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