夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
 私は視線を感じて何気なく優梨愛ちゃんを見た。
 そのゾクッとさせるような何ともいえない微笑み――勝ち誇ったような目つきが私の気持ちを掻き乱した。


「琉唯君~。さっきすごく良かったです。私、胸がキュンとなりました」


「ああ……」


 琉唯先輩との距離、数センチ。
 優梨愛ちゃんはこんな近くで顔を見られても平気なんだ。
 私は……無理。
 先輩の美しい顔を直視できないし、自分の顔も見られなくない。


「ねえ琉唯君、次のシーンなんですけど~」


「ちょっと優梨愛ちゃん」


2人の間に高梨さんが割って入った。


「え? 何ですか?」


「琉唯との打ち合わせなら、監督も交えてやってもらえないかしら?」


「は? どうしてですか? 演技プランのことは高梨さんには関係ないですよね? あなたは女優じゃないんだから」
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