夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「……とにかく今は琉唯の言う通り、演技に集中してね」


「もちろん、琉唯君が言うならそうします。でも、高梨さん、何だか怖いです。いちいち注意されると萎縮して良い演技ができません」


「……それは……ごめんなさい」


優梨愛ちゃんに言われ、グッと唇に力を入れる高梨さん。


「でも私、今回のドラマ、すごく気合い入ってるので頑張りますね!」


琉唯先輩は黙ってその場を離れ、少しピリついた空気を背負ったまま、高梨さんも一旦部屋から出た。


 きっと、高梨さんは琉唯先輩のことが心配で仕方ないんだろう。
 優梨愛ちゃんみたいな可愛い女優さんと噂になったら……やっぱり問題なのかも知れない。たとえ噂だとしても、1度ついたイメージを消すのはとても難しいと思うから。


 それに、優梨愛ちゃんのことを琉唯先輩はどんなふうに思ってるんだろう?
 高校時代から何も聞いたことはないけれど、気にならなかったといえば……嘘になる。
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