夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「いやいや。琉唯君。君の演技、生で初めて見たけど、やっぱりすごいね。感動したよ」


「恥ずかしいです。まだまだ未熟ですから。でも、精一杯頑張ります。いつも父がお世話になって……どうか引き続き支えてやってください」


「星宮社長は素晴らしい方だからね。僕はその恩義に応え、しっかり会社のために働きたいと思ってるよ。それにしても君たち3人の繋がりはすごいね。青春時代を共に過ごした仲間……本当にうらやましいよ」


「楽しかったですよ、あの頃。でも、今、またこうして夏凛に再会して、良かったと思ってます」


「そ、そっか……。まあ、うん、そうだよね」


 朝吹課長の歯切れの悪い言葉、珍しい。


 それから少しの間歓談し、私達は解散した。
 琉唯先輩は私に「悪いな、後頼む」と言って、会社を出た。


 今日1日、素晴らしい演技にドキドキして、今もまだ残る琉唯先輩の香りを感じ、私は、ここ最近の目まぐるしい変化に順応できてないことを実感していた。
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