夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「急ぎの台本を預かったから、マンションに届けたの。琉唯、電話しても出なかったから。そしたら、ちょうどあなた達が出てきて……。思わずコソコソ隠れてしまったじゃない」


「声かけてくれて良かったのに。鈴香さんにはきちんと紹介したかった」


困惑した表情の涼香さんを見たら、何も言わずに心配をかけてしまったことを申し訳なく感じた。


「……話して。どういう関係なの?」


「……夏凛は高校の演劇部の後輩だよ」


「後輩?」


「2つ下の後輩。今はなぜか星宮グループの社員。『Jewelry HOSHIMIYA』で広報の仕事をしてくれてる」


「……」


「この前、父さんの誕生パーティーがあって、感謝を伝えたくてサプライズ登場しただろ? その時、夏凛に会って……」


 俺は、だいたいのことをマネージャーである鈴香さんに話した。


「……なるほどね。それで、本気なの? いくらご両親のためでも、ただ彼女役を頼んだわけじゃないでしょ?」
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