夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
 人生の中で、こんなにもカッコ良い場所に立ったことはない。
 場所だけではなく、行き交う人みんなが個性的で、自分を上手く表現している気がする。
 「私はここよ」「俺は俺だから」色んなものが主張してて、ちっぽけな心に支配されてる自分が少し情けなく思えた。


 だけど、ここに来たいという夢が叶い、琉唯先輩と2人、とても有意義で素敵な時間を過ごせていることに心から感謝したくなった。


「夏凛ちゃん。わざわざ来てくれてありがとう。こんな可愛い女の子が琉唯の彼女だなんてびっくりだよ」


「え!? いえいえ、彼女じゃないです。ただの家政婦なんです」


 琉唯先輩のお友達――日本人の「ケンさん」。
数年前からこちらで修行してて、ブロードウェイのミュージカルに参加しているすごい人。
 気さくで話しやすい人柄の良さそうな男性だ。


 舞台に出演する前にわざわざ時間を作ってくれ、私達に会ってくれた。
 琉唯先輩は今、急な電話が入って席を外してる。
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