夏の出会いは素敵な恋の予感～超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む～

「あいつのこと、よろしくな。支えになってやって。その役目は、残念ながら俺には……無理だから」


「えっ……。あっ、あの、私なんかが支えになるなんて、そんなことは……。だけど、先輩のためにできることは何でも頑張りたいです」


「うん、頼むよ。夏凛ちゃんなら大丈夫だから。俺、人を見る目は誰よりもあるから」


ケンさんは、笑顔でウインクしてみせた。


「悪い、電話が長引いて」


琉唯先輩が戻ってきたと同時に、ケンさんの目が輝き、表情が明るくなった。


「いいよ。琉唯がいない間、可愛い夏凛ちゃんと色々話せたから」


「あっ、ああ」


「じゃあ、俺は劇場に戻る。後でな。それまでゆっくり楽しんで」


ケンさんは急いでリハーサルのために近くの劇場に向かった。


「あいつ、何か言ってた？」


「えっ？ いえ、変なことは何も。あの……色々楽しんでねって」