夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「……」


「な、何ですか?」


「いや、別に」


 先輩は、少し意地悪な笑みを浮かべた。


「……すごく感謝してるみたいでしたよ。自分がここで頑張れてるのは琉唯先輩のおかげだって」


「……そっか。俺、あいつの才能に惚れてるんだ。喜怒哀楽をあんなにも体と表情で上手く表現できるやつはいない。間違いなく、ケンはミュージカルスターになれる。……あいつの全てを受け入れることはできなかったけど、俺はケンの成功を誰よりも願ってる」


琉唯先輩の横顔は、何かを語っていた。
私にはわからない2人のこと。
でも、今の先輩の瞳はとても優しくて、何だか素敵だった。


「お土産とか見ようか」


「は、はい」


私達は、開演までの少しの時間、劇場街を歩いた。


「何か思い出に残るものを買おう」


「……そうですね」


「あっ、アクセサリーショップ」


 先輩が指をさした先にあったのは、オシャレな雰囲気のアクセサリーのお店だった。
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