夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
「私はね、オーディションに選ばれて琉唯君のそばにいるの。自分の力で掴んだ場所なの。なのに、あなたは何の努力もしないで……いえ、琉唯君を誘惑したっていう意味では努力したのかもね」


「待って、誘惑だなんて、どういう意味?」


半分泣きそうな顔で私に詰め寄る姿が、何だかみっともなく見える。


「琉唯君は、あなたに惑わされて、そそのかされて、正常な判断ができないでいる。高校の時からいつだって私の方が可愛いのに、琉唯君を自分に向けるために、いったいどんな手を使ったの?」


夏凛が普通に琉唯君を手に入れられるはずがない。そんな魅力、この女にはない。


「……優梨愛ちゃん?」


「あなたまさか、もう琉唯君と……」


「ちょっと待って。私、琉唯先輩を誘惑なんてしてないし、そそのかしてもいない。優梨愛ちゃん、何が言いたいの?」
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