【女の事件】翼の折れたコンドル
最終回
次の日の昼前であった。

ところ変わって、今治市矢田にある短大にて…

ゆういちろうは、長女が集団レイプの被害を受けたあと殺されたことに対してよりし烈な怒りに震えていた。

ゆういちろうは、長女をレイプしたと思われる6人の男子学生たちを問い詰めた。

男子学生たちは『おれたちは違う…』と言うて反論した。

「オドレぶっ殺してやる!!」

思い切りブチ切れたゆういちろうは、ふところに隠していたトカレフを出したあと男子学生たちに向けて発砲した。

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

男子学生たちは、ゆういちろうが発砲したトカレフに撃たれて亡くなった。

(ギャー!!)

周囲にいた学生たちが叫び声をあげた。

(ズドーン!!ズドーン!!)

ゆういちろうは、周囲にいた学生たちにも発砲した。

周囲にいた学生たちのうち、少なくとも7〜8人が死亡した。

それから30分後であった。

事件現場に、刑事たち80人が到着した。

そして…

(ズダダダダダダダダダダダタ!!)

リーダーの刑事がゆういちろうに向けてマシンガンを発砲した。

マシンガンに撃たれたゆういちろうは、即死した。

この時、短大の敷地内に隠れていた竹宮《たけみや》が事件の一部始終をスマホの動画で撮影していた。

撮影を終えたあと、竹宮《たけみや》は現場から走って逃走した。

ところ変わって、菊間町の県道沿いにある歌仙ダムにて…

ダム湖付近の土地に竹宮《たけみや》が乗っているレガシィが停まっていた。

竹宮《たけみや》は、スマホで撮影した動画をSDカードに保存したあと事件の一部始終を繰り返して見ていた。

竹宮《たけみや》は、ニヤニヤした表情で言うた。

「コノエの娘ムコは、どこのどこまでアホンダラか…これで、あの舅《クソジジイ》も終わりだ…県警本部長の娘婿が殺人事件を犯したあとマシンガンでドタマぶち抜かれた…あわれよのぉ…さて、それでは行きましょか…」

竹宮《たけみや》は、事件の一部始終の動画をNHKと民放各社の視聴者投稿アプリ経由で送信された。

送信が完了したと言うメッセージが表示された時、竹宮《たけみや》は『ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…』と嗤《わら》った。

亡くなった男子学生6人は、あずさとゆういちろうの長女と遊んでいたことは事実だがレイプ殺人については無罪であることが判明した。

あずさの母親は、娘ムコが犯した殺人事件を苦にクビを吊って命を絶った。

あずさとゆういちろうの長男は、島根県西部の山間部にある寄宿制の特別支援学校へ強制転校《てんこう》を強いられた。

その一方で、ミツグは今も行方不明になっていた。

11月13日のことであった。

埼玉県警は、熊谷市で発生した大量殺りく事件の再捜査をした結果を公表した。

事件現場に残されていた血液のDNA鑑定を改めて行った結果、ミツグの血液型と現場にのこされていたDNAが一致した。

これにより、ミツグを殺人罪で逮捕状を再発行した。

午後1時頃に、ミツグが愛媛県内に潜伏していると言う情報が複数の報道機関に伝わった。

同時に、埼玉県警は愛媛県警に対して捜査に協力するように要請した。

それにもかかわらず、本部長であるあずさの父親がイヤだと言うて拒否した。

それが原因で、内部対立が生じた。

場所は、本部長室にて…

あずさの父親は、副本部長にボロクソになじられたのでひどく困っていた。

副本部長は、あずさの父親に対してよりし烈な怒りを込めながら言うた。

「本部長!!埼玉県警から捜査協力の要請が出ているのになんで拒否するのですか!?」
「分かってるよ…」
「本部長は訓示で県民の生命財産を守ることが任務だと言いましたね!!…県民の安全と生命を守ることが第一と言うたのは口先だけか!?」
「分かってるよ〜」
「分かっているのであれば、埼玉県警からの要請に応じてください!!」
「そのうちに返事するから…」
「本部長!!」
「きょうはしんどいから帰りたいのだよ…休ませてくれ…」

あずさの父親は、足早に本部長室から逃げ出した。

思い切りブチ切れた副本部長は、受話器をあげたあと電話を゙かけた。

副本部長は、竹宮《たけみや》のスマホに電話を゙かけた。

「おい竹宮《たけみや》!!頼みがある…本部長の命《タマ》を゙取れ!!…あのクソジジイがサカタミツグをかくまっているぞ!!大至急たのむ!!」

夕方4時頃であった。

夕方のワイドニュースであずさの父親が埼玉県警の本部長たちとグルになってミツグをかくまっていた…と言うニュースが速報が伝えられた。

愛媛県と関西と東京の報道機関の記者が愛媛県警本部前の玄関に殺到したあと館内になだれ込んだ。

記者たちは、県警の幹部たちに対してあずさの父親が埼玉県警からの捜査協力の要請を拒否した上に埼玉県警の本部長たちとグルになってミツグをかくまったと言うニュースが真実かどうかをたずねた。

あずさの父親のせいで県警本部の機能が停止した。

その頃であった。

あずさの父親は、運転手が運転している黒のトヨタセンチュリーに乗っていた。

時は、夕方5時すぎだった。

車は、丹原町の県道を走行していた。

(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!ドザー!!ドザー!!)

この時、1時間に70ミリにそうとうする雷を伴った非常に激しい雨が降り出した。

その時に、事件が発生した。

(キー!!ドスーン!!)

この時、交差点でミツグが両手を広めて立ち止まっていた。

運転手は、急ブレーキをかけて止めようとしたが間に合わなかった。

ミツグは、車にはねられた。

「ああ!!ミツグさん!!」

車から降りたあずさの父親は、血まみれになって倒れたミツグを見ておどろいた。

「本部長!!」
「おい、ミツグさんを急いで乗せるのだ!!」

この時であった。

竹宮《たけみや》があずさの父親の前に現れた。

竹宮《たけみや》は、不気味な声で言うた。

「コノエ本部長…ひき逃げするおつもりですか?」
「なんだキサマ!!」
「逃げるのであれば、実力行使に出ますよ~」

このあと、竹宮《たけみや》はハラマキからタブレットを取り出したあと動画アプリをひらいた。

この時であった。

衣服がズタズタに切り裂かれた上に身体がグチョグチョに汚れた状態で亡くなったあずさとその横でワーワーと泣いている末娘の声が聞こえた。

全身をブルブルと震わせながら怒り狂ったあずさの父親は、ふところから拳銃を取り出した。

「オドレふざけやがって…死ねや!!」

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

竹宮《たけみや》は、あずさの父親が発砲した拳銃に撃たれた。

「オドレクソジジイ!!…おぼえていろ!!…オドレを地獄へ墜《お》とすから…カクゴしておけ…グハっ…」

竹宮《たけみや》は、口から大量の血を吐いたあと倒れた。

あずさの父親は、全身をブルブルと震わせながらなおも怒り狂った。

この時であった。

竹宮《たけみや》が出入りしている事務所《くみ》のやくざたち6人がやって来た。

「アニキ!!」
「オドレ!!コノエ!!」
「死ねや!!」

(ドカーン!!ドカーン!!)

やくざたちは、あずさの父親とミツグと運転手に向けて手榴弾《ばくだん》を投げたあと逃走した。

手榴弾《ばくだん》は、3秒後に大爆発を起した。

ミツグとあずさの父親と運転手の3人は、爆発に巻き込まれて亡くなった。

その翌日であった。

埼玉県警は、ミツグを被疑者死亡でさいたま地検に書類送検する手続きを取った。

物語は、ドサイアクの形で幕を終わった。

【終】

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