月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
お守り四つ子とお姫様
新しい街
「えーと、『お手紙ありがとう。新しい場所でも頑張るね』……っと。やっと終わったぁ!」
机の上に散らばった便せんを前に、私、陽木あさひは両腕を上に向けて伸びをした。
夏休みを機に生まれ育った街から遠い場所に引っ越して来たんだけど、今は前に通っていた学校の子たちから貰った手紙の返事を書いていたところなんだ。
何通もの手紙。中には涙ながらに渡してくれた子もいた。
思い出しながらその中の一通を手に取って軽く読み返す。
『陽木先輩は格好良くて、剣道をしている姿は輝いてました! 転校先では剣道をしないと言ってましたが、いつかまた凜々しい姿を見られることを願っています!』
つい、困り笑顔が浮かぶ。
慕ってくれるのは嬉しい。剣道だって別に嫌いだから止めるわけじゃない。
でも……。
私は手紙を置き立ち上がると、部屋の一角に足を運ぶ。
ベッド脇に設置された棚にはテディベアやぬいぐるみがちょこんと座っていて、密かに買い集めたネコやハリネズミなどのカワイイイラストが描かれた小物がたくさん並べられている。
「はぁ……カワイイ……」
私は釣り気味の猫目をふわんとゆるめて、思わずため息みたいな声を出す。
机の上に散らばった便せんを前に、私、陽木あさひは両腕を上に向けて伸びをした。
夏休みを機に生まれ育った街から遠い場所に引っ越して来たんだけど、今は前に通っていた学校の子たちから貰った手紙の返事を書いていたところなんだ。
何通もの手紙。中には涙ながらに渡してくれた子もいた。
思い出しながらその中の一通を手に取って軽く読み返す。
『陽木先輩は格好良くて、剣道をしている姿は輝いてました! 転校先では剣道をしないと言ってましたが、いつかまた凜々しい姿を見られることを願っています!』
つい、困り笑顔が浮かぶ。
慕ってくれるのは嬉しい。剣道だって別に嫌いだから止めるわけじゃない。
でも……。
私は手紙を置き立ち上がると、部屋の一角に足を運ぶ。
ベッド脇に設置された棚にはテディベアやぬいぐるみがちょこんと座っていて、密かに買い集めたネコやハリネズミなどのカワイイイラストが描かれた小物がたくさん並べられている。
「はぁ……カワイイ……」
私は釣り気味の猫目をふわんとゆるめて、思わずため息みたいな声を出す。
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