月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
***

「よかった、私の浴衣だけれど似合ってる!」

 帯はこれで大丈夫かなぁ? と鏡を見ながら結び目を確認していると、望ちゃんが戻ってきて感嘆の声を上げる。

「丈も大丈夫そうだね」

 ニコニコと嬉しそうな望ちゃんはやっぱりすごくカワイイ。
 なんだか抱きつきたくなっちゃう。
 いや、ダメでしょ。いくら同じ女の子でも会ったばかりの子に抱きつくとか!
 ぎゅーっとしたい欲求を振り払うように頭を振った。

「なに? どうしたの?」

 いきなり頭をブンブン振ったから、望ちゃんを驚かせちゃったみたい。

「ううん、何でもない」
「そう? じゃあ、居間に案内するね。ついてきて」

 慌てて誤魔化した私をうながして、望ちゃんは私の汚れた服を持って脱衣所を出る。
 すぐ隣にあったらしいランドリー部屋の洗濯機に服を入れてスタートボタンを押すと、「行こう」と言って居間に案内してくれた。
 外の塀や庭を見た感じでも和風のお屋敷だな、って思ったけれど、中もイメージ通りの和風。板張りの廊下に、襖や障子戸ばかりの部屋。
 浴衣も着ているせいか、どこかの旅館にでも来ているような気分になっちゃう。
 そうして少し歩いた場所の襖を開けた望ちゃんは、「ここだよ」と私にも中に入るよううながした。

「っ!」

 入った途端、四人の視線が私に集まって思わず足を止める。
 さっき門の前で会った望ちゃんのお兄さんたちがずらっとそろっていた。
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