月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
「お待たせ。人数分用意してたらちょっと遅くなっちゃった」
困り笑顔でそう言いながら居間に入ってきた望ちゃんは、お盆にイチゴのシロップがかかったかき氷を乗せて持ってきていた。
もしかしてさっきイチゴが好きか聞いたのってこれのことかな?
なんて考えながら望ちゃんを見つめていると、彼女が襖を閉め切る前に何かがスルリと居間に入ってきた。
三毛猫だ。かなり太っちょの。
「あ、ウタも来たのかい?」
猫の姿を見つけた満さんが垂れ目をもっと下げて嬉しそうに声を上げる。
ウタと呼ばれた三毛猫は、その大きさのわりにスルスルと歩いていく。でも、手を広げて迎え入れようとしている満さんを通り抜け、ウタは晦さんのヒザの上にそこが定位置とばかりに乗った。
「ウタ、暑いって」
晦さんは困ったように眉を寄せて、ウタをヒザからどかそうとしていた。でもウタはじゃれているとでも思ったのか、大きな体を伸ばして晦さんの胸にのしかかる。
いつもの光景なのか、その様子をスルーして望ちゃんは私の前にかき氷を置いた。
「このイチゴシロップ本当においしいの。毎年取り寄せてるんだ。お礼代わりに食べて行って」
「わっ、ありがとう」
居間の中はクーラーが効いていて涼しいけれど、それなりの人数がいるからかじんわりと暑い。かき氷は普通にありがたかった。
それに、よく見る色だけ違う市販のシロップとちがって、お店で出されるような果肉も入っているシロップは望ちゃんの言う通りおいしそう。
暑さで早くも溶けはじめているかき氷をまじまじと見ていると、満さんの悲しげな声が聞こえた。
困り笑顔でそう言いながら居間に入ってきた望ちゃんは、お盆にイチゴのシロップがかかったかき氷を乗せて持ってきていた。
もしかしてさっきイチゴが好きか聞いたのってこれのことかな?
なんて考えながら望ちゃんを見つめていると、彼女が襖を閉め切る前に何かがスルリと居間に入ってきた。
三毛猫だ。かなり太っちょの。
「あ、ウタも来たのかい?」
猫の姿を見つけた満さんが垂れ目をもっと下げて嬉しそうに声を上げる。
ウタと呼ばれた三毛猫は、その大きさのわりにスルスルと歩いていく。でも、手を広げて迎え入れようとしている満さんを通り抜け、ウタは晦さんのヒザの上にそこが定位置とばかりに乗った。
「ウタ、暑いって」
晦さんは困ったように眉を寄せて、ウタをヒザからどかそうとしていた。でもウタはじゃれているとでも思ったのか、大きな体を伸ばして晦さんの胸にのしかかる。
いつもの光景なのか、その様子をスルーして望ちゃんは私の前にかき氷を置いた。
「このイチゴシロップ本当においしいの。毎年取り寄せてるんだ。お礼代わりに食べて行って」
「わっ、ありがとう」
居間の中はクーラーが効いていて涼しいけれど、それなりの人数がいるからかじんわりと暑い。かき氷は普通にありがたかった。
それに、よく見る色だけ違う市販のシロップとちがって、お店で出されるような果肉も入っているシロップは望ちゃんの言う通りおいしそう。
暑さで早くも溶けはじめているかき氷をまじまじと見ていると、満さんの悲しげな声が聞こえた。