月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
 昨日初めて会ったときからなぜだかすごく気になった。
 側にいると不思議と温かくて、うっかり必要以上に近づいてしまったりもしたし……。
 なんでだろうなって思ってたけど、さっき悩みや不安を打ち明けてくれたあさひは、話しながら自分で力を取り戻すように表情が明るくなった。
 多分、陽木あさひって女の子は自分が思っているより強い。剣道も、心も。
 太陽みたいに自分で力を発揮出来る女の子なんだ。
 そんなあさひが眩しくて、とても惹かれてるんだと思った。
 でも、太陽に黒点があるように、強いからこその不安定さもあるような気がした。
 だから、彼女の側にいたいと思っていた俺は言ったんだ。

『カワイイものが好きだって気持ちごとあさひを守るよ』

 って。

「……望以外に守りたいとまで思ったのは、初めてかもな」

 つぶやきながら俺は夜空を見上げる。
 空には満月まであと数日の、明るい月が浮かんでるのが見えた。
 俺は星がよく見える新月が一番好きだけど、望は満月が一番元気が出ると言っていた。
 ずっと守ってきた大事な妹。そんな望と同じくらい、あさひは俺の中で大事な存在になってるのかもしれない。
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