月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
 小さい頃は『双子のお姫様はずっと会えていないの? かわいそう』と何度もおばあちゃんに聞いたことを思い出す。
 それにしても、おばあちゃんかひいおばあちゃんが作ったお話なんじゃないかと思っていたものが月島家にも伝えられていたなんて……。
 驚いてなにも言えずにいたら、ひと息ついた望ちゃんは続けた。

「この月の姫様っていうのが月の巫女で、月島家の女の子が代々受け継いでるの」

 胸のアザはその証だと望ちゃんは話す。そして私のアザを見た。

「もしかしたら、あさひちゃんは太陽の姫様……太陽の巫女かもしれないね」
「え?」
「だって、あさひちゃんのアザって太陽みたいに見えるもん」

 言われてそっと指先で触れてみる。
 位置的に鏡じゃないとちゃんと見えないけれど、確かに言われてみれば外側の円がギザギザしていたから太陽っぽいかもって思った。
 望ちゃんのアザはキレイなラインの円の中にもう一つ丸い円が入っているような三日月で、確かに月だってわかる。
 同じ場所にある、似た雰囲気のアザ。そして同じ昔話と言い伝え。
 不思議なこともあるものだなぁと思いながら、私は一つ思ったことを口にした。

「私が太陽の姫様で、望ちゃんが月の姫様なら……離ればなれになったお姫様たちは出会えたってことだよね?」

 私の言葉にキョトンとした望ちゃんは、すぐに笑顔になって答えてくれた。

「うん! そうだよね!」
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