月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
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「マジでカワイイな? なああさひ、今日はそのままの姿でうちに来ないか? ウタと望と写真撮ったらメチャクチャカワイイだろ」
「晦、無茶言うなよ。確かにウタと猫耳メイドなあさひちゃんのツーショットはすっごくカワイイだろうけど!」

 開始早々に月島家の四つ子は私たちのクラスに来ていた。
 客席に座って私と望ちゃんの姿を見たとたん口説くように話してきた晦さん。
 満さんはそれを止めようとしてくれていたけれど、ウタを含めて猫好きらしい彼は悔しそうに拳を握っている。

「でも本当にカワイイよ、あさひちゃん。……そうだ、首にこのフワフワのファーとかつけてみたらいいんじゃないかな? そうすればライオンっぽくも見えて一石二鳥だよ」
「……弦、それお前の推しキャラのコスプレになるんじゃないか?」

 なぜかファーを持ってきていた弦さんに、あからさまに不機嫌そうな朔さんがツッコミを入れている。

「えっと……とりあえず、ご注文は?」

 ただでさえ目立つ四人が好き勝手に話している状態は正直困った。
 お昼一緒に食べているときや、月島家にお邪魔しているときなんかは賑やかだなぁって楽しいときもあるんだけど……。
 でも、周りの目があるとそれぞれの視線が痛いよぉー!

 単純に四つ子のファンで、きゃあきゃあ言ってるだけの人たちはいい。
 その延長で私のことをちょっとうらやましいとか言ってるのもまあわかる。
 でも、一部の迷惑そうにしている人たちや、私のことをずっと良く思っていない宮義さんたちからの視線が一番キツイ!

 とはいえそれを直接言うのも悪い気がして言えないでいた。
 すると、ケーキセットをトレーに乗せて近づいてきた望ちゃんが。
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