月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
「さく、さん」

 来てくれた。
 しかも、こんなに早く。

「無事か!? ケガは!?」

 近づいて私の状態を確認する朔さんに、私は涙声だけれど「大丈夫です」と答えた。
 すると、ぎゅうっと抱きしめられる。

 「無事でよかった……あさひ」

 大切な宝物のように名前を呼ばれて、私の胸の奥で何かが反応した。
 ドキドキと鼓動が早まっている心臓とは違う。もっと中心にある、気持ちの元みたいなところ。
 ほほにキスされたときも少し反応したけれど、今ほどじゃなかった。
 あたたかくて、でも少し恥ずかしくて……とても、うれしいって気持ち。

 ああそっか……これ、恋心だ。

 恋なんてしたことないけれど、この気持ちが恋だってことはわかる。
 助けに来てもらって、名前を呼ばれて、抱きしめられて……こんなにも喜びを感じてるから。
 私は抱きしめてくれている朔さんの背中に少しだけ手をまわして、感謝した。

「朔さん……助けに来てくれて、ありがとうございます」
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