月島家のお守り四つ子~イケメン女子でも可愛いものが好きなんです!〜
 そのときにアザがあるなら確実だってわかったけれど、とつぜん太陽の巫女だなんて言っても困るだろうし、何よりまた悪い人に狙われかねない。
 だからしばらく黙っていようってことになったんだって。

「でも、あさひちゃん今日私を守ろうとして無茶してたでしょう? 私たちが本当に守りたいのはあさひちゃんなのに……とってもヒヤヒヤしたんだよ?」

 少し怒ったように言われてつい「ごめん」とあやまる。
 でも、多分知っていたとしても私は望ちゃんを守ろうとしてたけどなって思った。

「だから話すことにしたの。あさひちゃん、本当に守られるべきなのはあさひちゃんなの。だからもうあんな無茶しないで」
「でも、実際に今狙われているのは望ちゃんでしょう? また誘拐されそうになったら、私はやっぱり望ちゃんを守りたい」

 率直な気持ちを伝えると、望ちゃんは困りつつも仕方ないなって表情をする。

「ありがとう、でも私だってあさひちゃんを守りたいんだよ? お願いだから、今日みたいな無茶だけはしないで」
「……わかった」

 太陽の巫女だからってだけじゃなくて、友だちとしても守りたい。そんな風に言われてることに気づいて、私は素直にうなずいた。
 すると今まで黙っていた朔さんが口を開く。

「あさひを守りたいって思っているのは、俺もだからな?」
「え?」

 いつもの淡々とした口調じゃなくて、しっかり意思をこめたような声に隣を見る。
 朔さんの夜空を思わせる黒い目には、何か熱い感情がこめられている様に見えた。
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