再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
二度目のプロポーズ
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季節は八月になり、航空祭当日を迎えた。
会場にはたくさんの人たちが集まっている。本格的なカメラを持っている人もいたりと、悠翔たちの部隊の人気を伺うことができた。
最前列は取れなかったけれど、今いる場所からでもしっかりと見られそうだ。
目の前には六機ほどの航空機が横並びに並んで待機している。あの中のどれかに悠翔が乗るのだろう。
隣には羽琉が一緒だ。前回は私から誘ったけれど今日は自分から一緒に行くと言ってきた。
それに、なぜかとてもそわそわとしている。
「姉ちゃん。悠翔さんたちまだかな」
「もうすぐだよ。というか、羽琉どうしたの?」
この前の私のように落ち着かない態度の羽琉が気になった。けれど本人は「なんでもないよ」と笑ってみせる。
一方の私は今日は冷静だ。というよりも気持ちが浮かない。
悠翔の展示飛行を見るのをずっと楽しみにしていたはずなのに。
これを見たら彼への想いを断ち切ると決めているからだろうか。それとも、愛梨さんに悠翔の上官の娘だと嘘をつかれていた真実がわかったからだろうか。
「あ、そろそろ始まりそう」
羽琉の声でふと我に返る。
会場内に男性のアナウンスが響いた。