再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
同じ青色の制服を着た六名の隊員たちが横一列に整列して、揃って歩き始める。
そして自分が乗り込む機体のもとへと向かう。
その間、司会を務める男性が各隊員の名前などを紹介していた。
「悠翔さんは四番機なんだ」
悠翔の名前も紹介されて、彼が向かった航空機を見ながら羽琉が呟いた。
ちらっと横顔を見ると、とても生き生きとした表情をしている。どう見ても私よりも羽琉の方がこれから始まる展示飛行を楽しみにしている様子が伝わってきた。
羽琉のこんな顔を見るのはいつ振りだろう。
幼い頃に母親を失くしてからは初めて見るかもしれない。
そもそもどうして羽琉が展示飛行を見るのにこんなにもウキウキしているのか気になる。
不思議に思いながら隣をじっと見つめていると、航空機のエンジンが始動し、思わず耳を塞ぎたくなるほどの轟音が鳴り響いた。
航空機が順番に動き出して滑走路へと向かっていく。
一番目の機体を先頭に離陸滑走が始まり、続いて二番目の機体、三番目の機体、そして悠翔の四番機も地上を飛び立った。
「……すごい」
まだ地上を離れただけなのに感嘆の声が漏れる。