再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「それに、どうやって彼女を知ったのかはわからないが、俺の大切な女性に危害を加えるような真似はやめてくれ」
耳に届いた悠翔の声にハッとして、思わず彼の背中をじっと見つめる。
大切な女性って……私のこと?
「次は許さない」
悠翔の鋭い声が愛梨さんに向けられた。
彼女から返事の言葉はない。きっと声を出せないくらい気まずい思いをしているのだろう。
付き纏うほど好きな悠翔に険しい表情で睨まれて、鋭い声で咎められているのだから無理もない。
「……わかったわよ。あなたちのことなんてもう知らない」
少ししてから小さな声で愛梨さんが呟いた。それからこの場を去っていく足音が聞こえる。
悠翔の背中から顔を出すと、足早に歩き去っていく愛梨さんの背中が見えた。
「大丈夫か?」
くるっと振り返った悠翔と視線がぶつかる。
「うん、大丈夫」
悠翔のおかげで愛梨さんに危害を加えられずにすんだ。
「間に合ってよかった」
先ほどまで愛梨さんに向けていたものとはまったく違う柔らかい表情と声で悠翔がホッとしたように呟く。