再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!

エピローグ




 *


「待たせてごめん」


約束の場所に悠翔が来たのは、私が到着してから十五分後のこと。

仕事が終わってから来ると言っていたので、すぐには来られないだろうと思い一度自宅に帰ってからここへ来たのでそれほど待ってはいない。

悠翔は駅からずっと走ってきたのかもしれない。私の目の前に立つ彼の息は乱れている。

けれど、日頃から訓練を積んで体力をつけているからかすぐにいつもの呼吸に戻った。

そんな彼に私は「お疲れさま」と声をかける。


「今日のすごかったよ。天気も良かったし、よく見えた」


具体的にどこがどうすごかったのかと詳しい感想は伝えられないけれど、心の底からすごいと思った気持ちを伝える。

つたない感想だけれど、悠翔は優しく目を細めて微笑んだ。


「見に来てくれてありがとう」


ふと一番感動したシーンを思い出す。


「そういえば、空にハートができたでしょ。あのとき矢を射抜いたのって悠翔なんだよね」

「そうだけど。どうして知ってるんだ」

「羽琉が教えてくれたの。悠翔たちの部隊についていろいろと調べたらしいよ。すごく詳しいから驚いちゃった」

「羽琉が?」


不思議そうな顔を浮かべる悠翔に私はふふっと微笑む。


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