再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「羽琉、航空自衛隊に入りたいんだって」
「えっ」
悠翔が驚いたように目を丸くする。
「この前のお祭りのときに悠翔たちの展示飛行を見て感動したみたい。それから航空自衛隊について調べて、自分もパイロットになりたいと思ったらしいよ」
「そうか、羽琉が」
悠翔が柔らかい表情で微笑んだ。
きっと自分の仕事に憧れを抱いてもらえてうれしいのだろう。私も羽琉に夢ができてうれしい。
「私、ずっと羽琉が心配だった。羽琉が大人になるまでは私がそばで支えないといけないって思ってたけど、今日の展示飛行を見たあとで羽琉に言われたの。俺はもう大丈夫だから、姉ちゃんは自分のために生きろって。それを聞いて思った。羽琉なりにしっかりと前に進もうとしてるんだなって」
今思い出してもあのときの羽琉の言葉がじんと胸に響いてくる。
「だから私も自分の気持ちに正直になって前に進もうって決めた」
悠翔の目をまっすぐに見つめる。
「プロポーズを断った私が、こんなことを言うのは間違ってるかもしれない。でも、私、やっぱりまだ悠翔のことが――」