再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!


好き……と、伝えようとしたところで、ふわっと体を抱き締められた。

気が付くと悠翔の腕にすっぽりと包まれている。


「俺から言わせて」


私を抱き締める腕に力がこもる。


「美羽が好きだ。別れたあとも美羽だけをずっと想ってた」

「悠翔……」


お互いに今も想い合っているとわかり、瞳にじわっと涙が浮かぶ。

悠翔が私の体をそっと離した。

バッグからなにかを取り出して、出てきたのは立方体の小振りの箱だ。

彼の手が蓋を開けると中には見覚えのある指輪が入っている。


「これってあのときの……」


悠翔のお母さんの前で婚約者を演じたときに左手薬指につけたのと同じ指輪だ。

悠翔がそれを大切そうに指で掴む。


「本当は美羽にプロポーズをした三年前から持っていたんだ。そのときに渡そうと思って」

「そうだったの?」


私がプロポーズを断ったから悠翔は指輪を渡せなかったのだろう。それをまだ持っていたなんて……。


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