再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!

訳あって選んだ別れ




 *

秋村さんとの電話から二週間後。

私たちはお互いの休みが重なった日に会うことになった。

あれからも主にメッセージアプリで連絡を取り合い、お互いの住んでいる場所がわりと近いとわかるとその中間地点の駅で待ち合わせをした。

普段から乗っている軽自動車を運転して向かう。

そこにはすでに秋村さんが到着していて、私は車を停車させてから運転席の窓を開けて声をかける。


「こんにちは秋村さん。笹倉です。お待たせしてしまってすみません」


彼に会うのは階段から落ちそうになったところを助けてもらった日以来だ。


「笹倉さん、こんにちは。今日はありがとうございます。あと、そんなに待ってないです。自分が早く着きすぎただけなんで」


秋村さんは高い背を屈めて、運転席に座る私を覗き込む。

キリっとした目を優しくくしゃりとさせて微笑む彼に胸がドキッと大きく跳ねた。


「あ、あの。どうぞ乗ってください」

「ありがとうございます」


運転席側から手を伸ばして助手席の扉を開ける。

「失礼します」と、乗り込んだ秋村さんは背が高いので私の軽自動車は窮屈そうだ。


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