再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!


「狭い車ですみません」

「いえ、大丈夫です」


今日はこれから地元でも有名な観光地へ行く。案内約は私なので普段から乗っている軽自動車を運転して、近くまで向かう予定だ。


「それじゃあ出発しますね」

「お願いします」


車をゆっくりと発車させて道路上を進んでいく。

十八歳で免許を取ってから、助手席に家族以外の男性を乗せたのが初めてなので緊張する。普段以上に安全運転を心掛けないと。


「そういえば、最近こちらに来たと言っていましたが、秋村さんはどちらのご出身なんですか」


車内に流れているラジオを聞きながら秋村さんに尋ねた。


「自分は東京です。仕事柄転勤が多くて」

「そうなんですね。お仕事はなにを?」

「自衛官です」

「あ! もしかして近くにある基地ですか?」


この地域には自衛隊の基地があり、そこから飛び立った航空機が空の中を移動していくのをたまに見る。たしかあの基地は……。


「航空自衛隊ですよね」

「はい。自分はそこに所属しています」


秋村さんと初めて会ったときから鍛え抜かれた体つきをしている人だと思っていたが、自衛官だと聞けば納得だ。

仕事内容については詳しく知らないけれど、訓練などで普段から体を鍛えている印象がある。


< 21 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop