再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「秋村さんは戦闘機に乗ってるの?」
「そう」
「すごい……!」
「いや、すごくはないよ。って、さっきもこのやり取りしたよな」
秋村さんが口元を緩めてくすっと笑う。
彼は謙遜するけれど、誰もがなれるような職業ではないはずだ。
それに戦闘機なんて私にとっては非日常の乗り物で、それを操縦しているという彼に尊敬の念を抱いてしまう。
夢に向かって突き進んでいる秋村さんはかっこいい。
「私、応援してる。秋村さんが憧れの部隊の隊員になれるように。そのときは、秋村さんが操縦する機体が空を飛んでいるのを見てみたい!」
思わず興奮して話してしまった。
そんな私をきょとんとした顔で見ていた秋村さんだったが、ふっと優しく目を細めて微笑む。
「そんな風に言われたら必ず夢を叶えないといけないな。笹倉さんに見てもらえるように」
優しい表情で私を見つめる彼の瞳に捉えられてしまったかのように視線が逸らせない。
心臓がトクトクと音をたてる。
自分の気持ちを改めて強く自覚した。
私は秋村さんに恋をしている。
駅で私を助けてくれた逞しさも、夢を語る凜とした表情も、彼を知るたびに惹かれていく。