航空自衛官の元カレの偽装婚約者になりました


そして迎えた美羽との最後のデートの日。

県内でも良いホテルを予約していたが、俺が急きょ仕事になって行けなくなってしまった。

デートの約束も泊まる予定だったホテルもキャンセル。

数日後、俺の引っ越しの予定もあり美羽と会えるのは本当にこの日が最後だ。

外で食事を済ませたあと向かったのは、引っ越しの荷物をまとめた段ボールが重なる俺の家。

寝室のベッドで約束通り俺は美羽を抱いた。


「……あっ、ん」

「美羽はここが弱いんだよな」


彼女と付き合うようになってからもう何度も体を重ねている。だから彼女の敏感な場所はすべて知り尽くしている。

耳元で苦しそうに喘ぐ甘い声を聞きながら、彼女の弱い場所を責め続ける。

シーツをぎゅっと握る美羽の手を優しく握り込み、腰の動きを止めた俺はうっすらと頬を紅潮させる彼女の顔を見つめた。


「美羽」


潤んだ瞳で俺を見つめる彼女が愛おしくてたまらない。

別れたくない。

でも、約束通り今夜で最後にしなければならない。


「明日の朝、俺が寝ている間にここを離れて。そうじゃないと俺は美羽を手放せない。引き止めたくなるから」


美羽の体を優しく包み、ぎゅっと強く抱き締める。


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