再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「愛してる、美羽」
それからも美羽を抱き続けた。
気を失うように眠ってしまった彼女の寝顔を見つめていたら一睡もできないまま翌朝を迎えた。
美羽が目を覚ましたのがわかると俺は目を閉じて寝たふりをする。
ベッドから抜け出た美羽が下着と衣服を身に着けている音がする。そのあとでふと彼女の気配をすぐそばで感じ、俺の唇に柔らかいものが重なった。
「悠翔、大好きだよ」
美羽の手が俺の髪をそっと撫でる。
それからゆっくりと俺から離れていった。
別れ際に一方的にキスをするなんて反則だ。
今すぐに彼女を引き止めたい。行かないでほしい。別れたくない。
でも、今日が最後だと決めたのだから……。
しばらくして扉の閉まる音が虚しく部屋に響いた。
昨夜俺が言った通り、美羽は俺が寝ている間にこの家を静かに出ていったのだろう。
「これで終わりか……」
目を開けると、天井がぼんやりとかすんで見えた。
瞳からこぼれそうになる涙を抑えるため腕で目を覆う。
美羽には幸せになってほしい。
俺ではない誰かと……。