再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!


「まぁ、今回のところも縁がなかったんだよ。次がある! 元気出して」


明日香に優しく励まされて、沈んだ気持ちが少しだけ浮上する。


「それに、粘り強いのが美羽のいいところでしょ。中学のとき、好きだった先輩に告白して振られてもめげずに何度も想いを伝え続けた美羽なら大丈夫。諦めなければうまくいくよ」


過去の出来事を引き合いに出して、明日香は私を元気づけようとしているのだろう。

でも、彼女はたぶん忘れているのか、覚えていないのかもしれない。

そのときの告白は先輩に振られ続けて、私の初恋は実らずに終わっている。

粘り強く続けても叶わないものは叶わないのだ。

連敗中の職探しに加えて苦い初恋の記憶も思い出し、二重にダメージを受ける。

それでも明日香にはきっと悪気はないし、むしろ私を励まそうとしてくれたのだからここは「ありがとう」と感謝を伝えた。

それからふと店内をきょろきょろと見回す。


「そういえば、亮二(りょうじ)さんはもう来てる?」

「うん。亮二ならあっち。天気がいいから外で食事がしたいんだって」


明日香の視線の先をたどり、中庭のテラス席で亮二さんの姿を見つけた。

天気がいいとはいえまだ四月だ。その席は寒くないのかな。


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