再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「去年からこっちに戻ってきてるんだって」
「そうなの⁉」
美羽の言葉を聞いた羽琉が俺を見つめる。そんな彼に向かって「そうだよ」と俺は笑顔でうなずいた。
すると、羽琉の表情がみるみる明るくなった。
「ホントに⁉ やった! 悠翔さん、戻ってきたんだ」
羽琉が俺に向かって駆け寄ってきた。
笹倉羽琉――美羽とは十二歳離れた弟だ。
最後に会ったときは中学生だったが、この春から高校に進学したのだろう。
美羽と付き合っていた頃から羽琉とも交流があった。
別れるとなったとき、羽琉にきちんと挨拶ができなかったことが心残りでもあったが、こうして三年振りに会えて、俺を覚えてくれていたことが嬉しい。
それに、美羽がなによりも大事に思っている羽琉の元気そうな姿を見て安堵した。
「じゃあ姉ちゃんたちまた付き合うことにしたの?」
唐突に飛び出た羽琉の言葉に俺の心臓がドキッと跳ねる。
美羽も同じだったようで、顔がひきつっているのがわかった。
彼女は羽琉に俺と別れたことをきちんと伝えているのだろう。それなのにこうしてまた俺と一緒にいるのを見た羽琉が復縁をしたと勘違いするのも無理はない。
おそらく羽琉はそれを望んでいるのかもしれない。期待を込めた目で俺と美羽を見ていることからもそれが強く伝わってくる。