航空自衛官の元カレの偽装婚約者になりました


「羽琉。悠翔は忙しいんだから、これからゲームなんて無理に決まってるでしょ」

「え~。でも俺また悠翔さんとゲームしたい」

「ゲームならお姉ちゃんが一緒にやってあげるから」

「やだよ。姉ちゃんクソ下手だから戦力外。むしろ足手まといになる」

「なによ! ゲームばかりしてないで勉強もしなさい」


このままだと口ゲンカになりそうなふたりの間に入り「まぁまぁ」と美羽をなだめる。

そういえば当時もよくこの姉弟のケンカを止めていたなと懐かしく思い出した。


「俺は時間あるからいいよ。美羽の迷惑にならないなら」

「迷惑ではないけど……」


美羽がちらっと俺を見た。

考える素振りを見せる彼女に羽琉が「姉ちゃんお願い」と顔の前で両手を合わせて懇願する。

弟には甘い美羽のことだ。


「……わかった」


渋々といった様子でうなずいた美羽を見て、「よっしゃ」と羽琉がうれしそうに声を上げた。

というわけで、俺は久しぶりに美羽と羽琉が暮らす家に行くことになった。


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