再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!


そのあとも順番に展示を見て回り、フードコートで軽く昼食を取ったあとは迫力満点のイルカショーを堪能した。


「あっ、私ちょっとお手洗いに行ってくる」

「じゃあ俺はあそこの売店見て待ってるから」


海の生き物たちのぬいぐるみが並ぶ売店を悠翔が指差す。


「わかった。あとでね」


そう声を掛けて、少し離れた場所にあるお手洗いに向かった。

途中で迷いながらもしばらく進んだところでようやくお手洗いの看板を見つける。中に入ると列ができていた。

並んだあとでようやくお手洗いをすませ、悠翔と別れた場所に戻ろうとしたのだが、自分がどこから来たのかわからなくなってしまった。


「どこから来たっけ……」


きょろきょろと周囲を見渡す。

けれど、まわりに人も多く、よけいに自分の居場所がわからない。

どうしょう。完全に迷子だ。

売店からここまでしっかりと周りを見て歩いてくればよかった。

立ち止まっていても仕方がないので、とりあえずこっちかなと思う方向に進んでいく。


「あれ? さっきもここ通った気がする」


このまままっすぐに進んでも悠翔と別れた場所には戻れない気がした。

そう思って、来た道を戻っていく。

すると再びお手洗いに戻ってきてしまった。



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