再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
どうしよう……。
だいぶ悠翔を待たせてしまっている。
早く戻らないといけないのに、そう思えば思うほど気持ちが焦ってパニックになる。
落ち着け、私。
館内案内図はどこだろうと、きょろきょろと周囲を見渡すけれどこのあたりにはないようだ。
再び歩き出そうとしたとき、突然左の手首を掴まれた。
「見つけた」
ぐいっと後ろに引っ張られる。
振り返ると、焦った表情の悠翔と目が合った。
「よかった。戻ってくるのが遅いからなにかあったのかと思った」
そう言って彼はホッとしように息を吐く。
もしかして私を捜しに来てくれたのだろうか。
「ごめん」
途端に申し訳ない気持ちが込み上げる。
「お手洗いから悠翔と別れた場所までの戻り方がわからなくなって」
「それならそうと俺に連絡すればいいだろ。スマホ持ってるんだから」
「あ、そっか」
その考えが頭から抜けていた。
自分の居場所がわからなくなったと、悠翔に電話かメッセージを送って助けを求めればよかったのだ。
ますます申し訳ない気持ちが強くなり、しゅんと肩を落とす。
お手洗いに行ったきり迷子になるなんて小さな子供じゃないんだから……。
きっと悠翔はこんな私に呆れているはずだ。