再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「美羽が無事でよかった」
落ち込む私の左手を彼の右手がそっと握る。
「もう離れるなよ」
悠翔が私の手を取り、ゆっくりと歩き出した。
付き合っていた頃のようにお互いの指を絡め合わせた繋ぎ方にドキッと胸が小さく跳ねる。
「う、うん」
ぎゅっと握られた悠翔の手の熱を感じながら、私は小さくうなずいた。
水族館をあとにした私たちは駐車場に停められた悠翔の車に乗り込む。
「そういえばさっきこれ買ったんだ」
運転席に座る悠翔が思い出したように小振りの斜めかけバッグから取り出したのは、小さな亀のぬいぐるみのキーホルダー。
「羽琉にお土産。家に帰ったら渡して」
「え、いいの? ありがとう」
悠翔から亀のキーホルダーを受け取る。
わざわざ羽琉のために買ってくれた彼の優しさにじーんと胸が熱くなった。
エンジンをかけ、ハンドルを握った彼がふと口を開く。
「でも、羽琉ももう高校生だよな。こんなの貰ってもうれしくないか」
「そんなことないよ。悠翔からって言えばよろこぶと思う」
私からだと言えば『こんなのいらねぇよ』と突っ返されると思うけれど……。