再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
悠翔の体が私から離れて運転席に戻る。
「じゃあな、美羽」
「うん」
キスの余韻がまだ残る私は戸惑いながら返事をする。
それから扉に手をかけて、今度こそ悠翔の車を降りた。
彼の車が動き出して見えなくなるまで見つめる。
途端に不安になった。
悠翔のことが今でもこんなに好きなのに、その気持ちを抑えながら婚約者のふりなんてできるのだろうか。
「それでもやるしかないよね」
悠翔が子供の頃からの憧れの部隊で思いきり飛べるために力になると決めたのだから。
彼への想いを今は捨てて、なんとしても婚約者を演じ切らないといけない。