再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
羽琉はきっとまだ母親の死を引きずっている。
それを知っているから、私が羽琉の支えにならないといけない。
せめて羽琉が大人になるまでは……。
ううん、大人になってからも羽琉が母親の死をきちんと受け止めて、しっかりと現実を見て歩いていけるようになるまでは私が羽琉のそばにいると決めたのだから。
「あ、姉ちゃん。あの子迷子じゃね?」
肩をトントンと叩かれて、羽琉の視線の先をたどる。
そこには幼稚園生くらいの女の子がひとりでふらふらと歩きながら、不安そうな顔で周囲をきょろきょろと見回していた。
「本当だ。ちょっと行ってみようか」
私は女の子のもとに向かう。
「こんにちは」
声をかけて、女の子の目線に合うようにしゃがんだ。
「ひとりで歩いてるの? パパかママは?」
「わからない。どこかにいっちゃった」
女の子が首を横に振る。その目には涙をいっぱいためていた。
やはり迷子のようだ。
心配に思ったのだろう羽琉も近くに来て、女の子の様子を見守っている。
「迷子センターとかあるのかな」
このままこの女の子をひとりにはしておけない。
「羽琉。私、この子の親を捜すね」
「じゃあ俺も手伝うよ」
「ううん。私ひとりで大丈夫」