再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!


とりあえず会場スタッフの人たちのところまで連れていって、迷子だと伝えれば対応してもらえるだろう。


「でも、姉ちゃん。そろそろ悠翔さんたちの始まるけど」

「えっ、もうそんな時間⁉」


腕時計に視線を落とす。あと十五分だ。間に合うだろうか。

でも、女の子のことも放っておけない。


「羽琉、お願いがあるの。もしも間に合わなかったらスマホで動画撮っておいてくれないかな」


間に合わせるつもりだけれど念のためお願いすると羽琉からは「お~」とやる気のなさそうな答えが返ってくる。

でもきっと羽琉のことだ。しっかりと動画に撮ってくれるはず。

私は女の子の手を優しく握った。


「これからお姉ちゃんと一緒にパパとママを捜しに行こう。お名前聞いてもいいかな」

「りこ」

「りこちゃんね。お姉ちゃんの名前は美羽だよ」


にこっと笑いかけると、女の子――りこちゃんの涙が少しだけ引っ込んだ。


「じゃあ羽琉。よろしくね」


そう言って、りこちゃんと一緒に歩き出す。


「りこちゃんは何歳?」


両親と離れて心細い気持ちを抱いているであろうりこちゃんの不安を和らげるため話をしながら進んでいく。


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