再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
私と悠翔が別れたあと、彼と愛梨さんの関係がどうなったのかはわからない。
おそらく進展はなかったのだろうと思うけれど。
それにしてもどうして愛梨さんがここに?
私は彼女の存在が少しだけトラウマになっている。
「……羽琉。もう帰ろう」
「えっ、帰るの?」
「うん」
くるんと踵を返して歩き出す。
そのあとを羽琉が追いかけてきた。
展示飛行は見られなかったし、会いたくない人の姿を見つけてしまうし。
私は今日、なにをしにここへ来たのだろう……。
落ち込んだ気持ちを抱えたまま翌日を迎えた。
今日は悠翔のお母さんとの食事会の日だ。
場所はお母さんが宿泊しているホテルの中にある和食料理屋。
十二時に予約をしてあるらしく、時間に間に合うように悠翔が車で迎えにきてくれた。
「そういえば美羽。昨日のお祭り、羽琉と一緒に来てたんだよな」
運転しながら尋ねてきた悠翔に、私はうんとうなずいた。
「行ったよ。でも悠翔たちの展示飛行は見てない」
「どうして?」
お祭りには展示飛行を見るために行くと悠翔には事前に話していた。
それなのに一番の目的のものを見ていない私に悠翔が不思議そうな顔をする。