再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「それで、そちらの女性が?」
悠翔のお母さんがちらっと私を見る。
ほんの一瞬視線が合っただけで、思わず肩がびくっと跳ねてしまった。
「あっ、えっと……」
「電話でも伝えたけど彼女が笹倉美羽さん。結婚を考えている女性だ」
口ごもってうまく喋れない私に代わって悠翔が紹介してくれた。そのあとで私は深く頭を下げる。
「初めまして。笹倉美羽です」
顔を上げると、お母さんの視線がじっと私に注がれている。
気まずくて軽く微笑んでみたが、お母さんの表情は引き締まったまま。
「悠翔の母の秋村陽子です」
彼女は静かに自分の名前を告げた。そのあとで悠翔が口を開く。
「母さん。俺は美羽さんと結婚したい。だから見合いを勧めてくるのはもうやめてくれないか」
悠翔がさっそく本題に入ったようだ。
私もなにか言った方がいいのだろうか。でも、いったいなにを……。
迷っているうちに悠翔のお母さんがため息を吐く。
「結婚を考えている女性がいるなんて嘘だと思っていたわ。仕事ばかりしているから彼女なんていないと思っていたけど本当だったのね」
悠翔のお母さんの視線が私に向かう。