再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
「しかもこんなにかわいいお嬢さんを掴まえて。美羽さんはおいくつ?」
「二十八です」
「ということは悠翔の四つ下ね。私と主人と同じだわ」
悠翔のお母さんがようやく笑みを見せた。
彼女も旦那さんとの年齢が四歳差なのだろう。私と悠翔との共通点があり、この場の雰囲気が和らいだ気がする。
「美羽さん。悠翔のことをよろしくお願いしますね」
悠翔のお母さんに優しく微笑まれて私はぴしっと背筋を伸ばした。
「こちらこそよろしくお願いします」
テーブルに額がくっつくのではないかと思うくらい深く頭を下げる。そんな私を見てお母さんからくすっと笑い声が聞こえた。
最初は強烈なオーラを放つ女性だとだいぶ身構えていたけれど、今の彼女からは優しく穏やかな雰囲気が溢れている。
私を悠翔の婚約者として認めてくれたのだろうか。
一筋縄ではいかないと思っていたけれど、あっさりと受け入れてもらえて拍子抜けしてしまった。
でも、そういえば悠翔が言っていた。
お母さんは悠翔に早く結婚をしてもらいたいだけで、相手には特にこだわっていないのだと。
「悠翔にこんなにかわいい彼女がいるなら、見合いを勧めたりはもうしないわ」
「そうしてくれ」
お母さんの言葉に悠翔がホッとしように息を吐く。
とりあえず私の任務は成功でいいのだろうか。