再会した航空自衛官の、5年越しの溺愛包囲が甘すぎます!
明日香が申し訳なさそうな顔を見せる。
友達思いの優しい彼女のことだ。私がひとりになったタイミングで悠翔の上官だと名乗る女性から声をかけられたことに申し訳なさを感じているのかもしれない。
でも、あのとき私は自らひとりになろうとしたのだ。
「明日香が気に病むことはないよ」
心配をかけないように軽く笑って見せた。
すると、黙って話を聞いていた亮二さんがふと口を開く。
「美羽ちゃん。その上官の娘の名前ってわかる?」
「えっ、うん。名字は名乗ってなかったからわからないけど、名前は愛梨さんって言ってた」
その名前を聞いた途端、亮二さんがハッとしたような顔をする。そして、小さな声で「やっぱり」と呟いた。
「やっぱりってどういうこと?」
彼の意味ありげな反応にすかさず明日香が尋ねる。亮二さんが明日香に視線を向けたあとで私を見た。
「彼女は悠翔の上官の娘じゃないよ。当時の上官に悠翔と結婚するくらいの年齢の娘を持つ人はいなかったから」
「どういうこと?」
再び明日香が尋ねる。すると亮二さんは少し答えづらそうに口を開く。
「うーん。悠翔のストーカー……って言えばいいのかな」
「ストーカー⁉」
明日香が大きな声を上げた。
私も驚いて目を見開いたまま固まってしまう。
ストーカーって……。